知人から「署名をしてほしい」と頼まれました。
協力できる内容だったので署名をしましたが、ふと疑問に…
「これって効果があるのかな?」
署名で何が変わるのかイメージができなかったので調べてみました。
署名に直接の効果がある場合とない場合がある
署名はいろいろなケースで活用されていました。
しかし法的な効力が認められる場合はほんの一部であることがわかりました。
地方自治に関する署名は直接的な意味をもつ
署名に効果がある場合、それは 地方自治に関する請求 です。
たとえば市長の解任や条例の制定などです。
「地方自治法」という法律にはどんな請求に関する署名ができるのか、その数はどれくらい必要かということが定められています。
そして一定数以上の署名が集められると住民投票となり、請求の認否を決めることができます。
ほとんどの署名運動は間接的な効果しかない
署名に法的な効力があるのは上記の地方自治に関する請求だけです。
それ以外の署名は、たとえどれほどの数が集まっても法的な拘束力をもちません。
ただし意味がないというわけでもありません。
地方自治に関すること以外の署名は『請願』という形にまとめられます。
請願とは市民が国会や議会で要望を訴えられる制度です。(※企業や個人に対する署名は含みません)
ふつう国会や議会は市民が選挙によって選んだ代表者(議員)が話し合いをおこなう場です。
なので議員以外の人は要望や苦情を訴えられないのが原則です。
そこを例外として「請願書」という形にして直接要望を伝えることができます。
ただし 請願書は紹介してくれる議員がいないと議会に提出ができません。
ちなみに議員の紹介をないものは『陳情』といいます。
請願が審議される可能性はかなり低い
請願書を提出できたとしても、国会や議会で採択されるとは限りません。
たとえば2017年に衆議院で受理された請願の数は3,017件だったそうです。
そのうち採択されたのは313件となっています。
「○○人以上の署名が集まれば採択まですすむ」と決まっているわけではないのですが、請願の内容に賛同してくれる人が多ければ多いほど要望の重要さをアピールできます。紹介をお願いしたい議員の理解も得やすいでしょう。
つまり多くの署名が集められれば審議まですすむ可能性が上がるというわけです。
ネットによる署名運動
最近ではネットによる署名活動もあります。
代表的なものはChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)というオンラインサービスです。
このChange.orgでは誰でも署名活動を立ち上げることができます。
チラッと見たところでは「保育士の給料を5万円増額してほしい」とか「プロバスケットBリーグ全カテゴリの試合配信を!」など、求める内容はさまざまです。
たとえ法的な効力がなくても圧倒的な数の署名が集められれば、その要望が検討される可能性は高くなるでしょう。
現にアメリカでは、大手銀行のカード使用手数料の導入に反対するキャンペーンによって約30万人の署名が集まり、導入を撤回する契機になったそうです。