マスターカラテカ

2017/01/03


携帯ゲームといえばゲームボーイしかなかった頃、ものすごくほしいと思って買ったソフトがあった。

そのゲームは『マスターカラテカ』といった。

雑誌の新作紹介を見かけて「これは!」と思った。『ファイナルファイト』を彷彿とさせる横スクロールのアクション。強さやスピード、体力のゲージを自分で選べるという凝った設定。絶対おもしろいはずだと確信した。

それから貯金を始め、足りない分は親にせがんで、やっとのことで買ってもらえることになった。

発売日当日、父親と電気屋さんへ行った。おそらくあの電気屋でマスターカラテカを一番最初に買ったのは僕だろう。「しばらくはプレイで忙しくなるな」とわくわくした。

***
 
帰り際、ちょうど昼時だったのでラーメン屋さんに寄った。

注文を済ませ、僕は待ちきれずにゲームボーイにソフトを差し込み、さっそくプレイし始めた。数分後、ラーメンが運ばれてきてゲームを中断する。

「どうだ?楽しいか?」と父親が尋ねる。「うん、すごく楽しい」と答える僕。

でも違った。びっくりするぐらいつまらなかった。

ラーメンが来る数分の間で悟るほどのダメっぷりだった。それまでにも数えられないくらいクソゲーを買っていたが、マスターカラテカは断トツだった。いや、もしかしたらもっとダメなゲームはあったかもしれない。でもあまりに期待が高くなっていた為にその落差は半端じゃなかった。

申し訳なさ過ぎて目の前の父親の顔が見られない。クソゲーを「楽しい」といって嬉しそうにプレイする苦痛。拷問のようだった。

「どこで見誤ったんだろう」

ラーメンをすすりながら本気で思った。


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