話を聞いてもらうためにまずこれはやったほうがいい


歌の練習をしている関係で、録音した自分の歌声を聴く。

びっくりするほど抑揚がない。もちろんそのあたりも意識して歌っているつもりだ。しかしまるで棒読み。歌ですらそんな具合なのだから、普段の会話はもっとひどいんだろうなと思う。そういえばスマホの音声認識もわりと言い直す。英語で発音するに至っては一発で聞き取ってもらったためしがない。

そんなことを知り合いの女性に話したら「似たようなことを娘が幼いときに感じた」という。

彼女はある時、娘が親戚の叔母との会話ではよく話を聞いていることに気が付いた。叔母は少し耳が不自由で、人よりも言葉の抑揚が強いらしい。

「明らかに私と話す時よりよく聞いてるのね。それを見ていて『ああ、私は話す時にことばの意味に頼りすぎていたんだな』って思ったの」

なるほど、と思った。僕もそうだから。

会話は適切な言葉遣いさえすれば相手に伝わると思っていた。でも実は違うのだ。
話す以前に、まず話し手へ「聞いてほしい」というサインを送らないといけない。そのサインは言葉の意味のような理屈より、声の大きさやリズムなどの感覚に訴えるやり方の方が効果的だ。

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と、いうようなことを思ってさらに感情を込めて歌ってみた。まるで役者のセリフぐらい大げさに。

ちなみに手ぶりなどをつけるとより声のコントロールができることがわかった。テレビなどで歌手が手ぶりを付けて歌っている姿を目にするが、あれにはちゃんと意味があったのだ。外国人がスピーチの時に手ぶりを付けて話したりしているが、声のトーンやリズムをコントロールしていると思えば納得がいく。

そうやって歌うのは大変こっぱ恥ずかしい。だが歌い終わって録音を聞いてみると、やっぱりおおげさに歌う方が「聴ける」のだ。


-考えたこと