定期建物賃貸借契約と普通の建物賃貸借契約の違いをひと言でいうと…

2016/10/14


ずばり、契約の更新がないこと。
 
 

この一点つきます。
 

たとえば2016年10月10日から2年間の契約であれば2018年10月9日で契約は終了します。

更新はしません。

もし継続して部屋を借りたい場合は「再契約」になるんです。

解説書などではこの他にも普通の建物賃貸借契約との違いを細かく紹介しているかもしれません。

でも乱暴に言えばこの「更新がない」ことに比べれば些細なことでしょう。

それだけ更新がないってことは大きいことなんです。

もし借りた部屋の契約が定期建物賃貸借契約だったら

期間が終了したら契約が終わる

すっごい当たり前のように聞こえますよね。

でも建物の賃貸借契約ではこれ、当たり前ではないんです。

普通の建物賃貸借契約だと、部屋を借りている人が「更新しません」と言わない限り契約は期間が終了した翌日に自動的に更新するんです。

これはたとえ大家さんが更新を希望していなくても、です。
 
 

もちろん大家さんから「更新しない」ということはできます。

 

でも大家さんから更新しない場合は「正当な理由」というものが必要です。

そしてこの正当な理由というのは、よほどのことではないと認められません。ちなみに解約する際も同様です。だからこうゆう場合は往々にして裁判沙汰になったりします。

つまり普通の建物賃貸借契約とは基本的に借りている人が「契約を更新しない」あるいは「解約します」といわない限り継続する契約なんです。
 
 

その点、定期建物賃貸借契約(なお「定期借家契約」と呼ぶ場合もあります)は違います。

 

先ほどの例をまた挙げると契約は2018年10月9日に終了します。

で、借りている人がもっとそこに住みたいから大家さんへ「再契約したいです」と申し出たとしましょう。

これに大家さんが了承してくれれば再契約ができますが、「しません」といわれればそれまでとなります。

このとき大家さんには理由はいりません。

賃料が変わる

先ほどの例のつづきです。

大家さんも了承してくれてまた契約することができたとします。
 
 

でも同じ条件とは限らないんです。

 

たとえば再契約を機に家賃が以前よりも5000円値上がりする可能性だってあります。

それが受け入れられないと契約が成立しないわけで、契約が成立しなければ部屋を明け渡さなきゃいけないわけです。

もちろん普通の建物賃貸借契約だったとしても契約更新を機に値上げ、ということはあります。

ただ普通建物賃貸借契約の場合であれば、部屋をそのまま借りながら交渉ができるんです。
 
というのは、たとえば契約更新を機に大家さんが10万円の家賃から10万5000円に値上げしますといっても、借りている人がその値上げに納得できなければ以前の金額である10万円を支払いつつ、大家さんと家賃の交渉をすればいいわけです。

で、たとえ交渉の結果10万5000円になったとしても、後から払ってなかった差額分の5000円をまとめて払えば済みます。(相応の利子はつきますけど)

なんでこんな不利な契約があるの?

逆、なんです。

大家さんが契約を解約するのに理由が必要という習慣は、おそらく他の国にはないんじゃないでしょうか?

そもそも日本の不動産契約は基本的に貸す人より借りる人の待遇を手厚くしている傾向があります。

なぜか?

発端は第二次世界大戦の頃までさかのぼります。

その頃、働き手である男性が戦地へ赴いてしまったために残された家族が家賃の支払いもままならず、契約終了を機に家を追い出されるということが多発したといいます。

それを問題とみた政府が、家賃の値上げを制限したうえに大家からの契約を終了させる場合には正当な理由が必要とされるという制度を定め、それが現代にまで引き継がれているのだそうです。
 
 

現代ではそれがかえって問題になる場面もあります。
 
 
 
たとえば僕の家の近くにはずっと空き家の店舗があります。

聞くところによると以前そこ借りていた人が度々家賃を払わなかったりして、そのたびに大家さんとの間でトラブルになったそうです。

大家さんはその借りている人を追い出そうにも追い出せず、裁判沙汰にまでなったあげく、最後は借りていた人が夜逃げ同然でいなくなったのだとか。

大家さんはその一件でほとほと参ってしまったそうで、以来その場所は誰にも貸さない、貸しても選挙事務所などの一時的なもだけになってしまったそうです。

この話を聞いたとき、こうゆうケースって少なくないんだろうなと思いました。

裁判だってとんでもなく手間は掛かるしお金もかかるしで、そんな目にあうんだったら空き家にしといた方がよっぽどマシ、という気持ちになるのも無理はないでしょう。

借りたい物件の契約が定期建物賃貸借契約だったらどうする?

では、仮に僕が借りたい物件の契約条件が定期建物賃貸借契約だったらどうするか?
 
住む家を借りる場合だったらそんなに気にしないと思います。よっぽど気に入った部屋じゃない限り、住む場所を変えるのはそれほど苦にはならないはず。

 

でもたとえば何かしらの商売をやろうとして、お店として借りようとしていたら…やっぱりちょっと考えますね。
  

少なくとも大家さんに相談すると思います。たとえば普通の賃貸借契約にしてもらえるなら多少家賃を多めに払いますよ、とか。

どうしても定期建物賃貸借契約じゃなきゃダメというなら、契約期間を2年から5年くらいにしてもらうとか、敷金の預入金額を6か月分から4か月分へ安くしてもらうとか。

あとはなぜ定期建物賃貸借契約でなければいけないのか、ということも聞くかもしれません。

先の例のようなトラブルが以前あったからとか、あるいは近い将来建て替える予定があるとか…そうゆうことが結構重要だったりします。

いずれにしてもよっぽどの気に入った物件じゃない限りは見送る可能性が高いですかね。


-ライフスタイル